病気を予防する大事な役割を担っている
医療系の仕事というと、医師や看護師を始めとして、病気にかかった患者さんを治療するという職業ばかりをイメージしがちですが、保健師という重要な仕事があることも覚えておくと良いでしょう。
この保健師の仕事は、簡単に言うと病気を予防するというものです。
病気になってから治療を行うよりも、病気にならないように努めた方が断然良いですし、医療費を削減することにもなり、社会的に意義があります。
具体的には、健康診断などを行って、病気になる兆候が見られる人を発見し、適切な指導を行います。
その指導には、食生活の見直しや生活習慣の改善などを行い、病気にかからないようなアドバイスを与えることが含まれます。
複数の働き口がある保健師
あまり保健師という職業の知名度は高くありませんが、ほとんどの保健師は公務員として働いています。
保健所や役所の中で、保健指導を行い市民の健康を見守っています。
健康に関する提言を行ったり、健康診断のプログラムを作成したりすることもあります。
また、家庭を訪問して、自宅での介護を行っている人や、出産を控えている人、育児を行っている人の相談に乗ることもあります。
さらに、企業に勤めて会社員の健康を見守るという仕事もあります。
こうした企業保健師は、会社内で定期的に健康診断を行い、精密検査が必要な人をチェックしたり、医務室で健康相談に乗ったりします。
就業時間が比較的固定されていることや、待遇が良いことなどから人気がありますが、全体的な求人は少なめで競争率が高くなっています。
学校で働く保健師もいます。
養護教師とは異なる仕事となり、生徒や教員たちの健康を見守るために、健康相談を行ったり、健康診断、身体測定の結果などを分析するという業務があります。
保健師になるには看護師の資格が必要
保健師として働くには、まず看護師の資格が必要です。
その後、指定された養成機関において、一定以上の訓練を受ける必要があります。
その養成機関を卒業して初めて、保健師国家試験の受験資格が得られます。
この国家試験は、年に一回行われていて、80パーセントから90パーセントの合格率となっています。
数字だけを見ると、比較的簡単そうな試験ですが、多岐に亘る範囲から出題されて、総合的な能力と専門的な知識が問われます。
このように、保健師になるためには、いろいろなステップを踏む必要がありますし、資格を得るまでにはそれなりの時間が必要です。
それだけ求められることの多い業務ということができますし、やりがいもある仕事です。
資格を取るのは簡単ではありませんが、生涯役に立つものですので、チャレンジする価値が十分にあると言えるでしょう。