認知症への理解を広める必要性
高齢者が社会的に多くなっている日本では、介護の必要性がますます高まっています。
要介護者として認定されるケースでは、身体的な機能に障害が及び、手足などがうまく動かせなくなったというものがあります。
しかし、それと同じように認知症が進み徘徊などをするため、常に見守りとお世話をする必要があるケースも要介護と認定されます。
認知症による介護の必要性も高まっているというのが、日本における現状なのです。
しかし、認知症患者が身近にいる場合でも、どのように対応したら良いのか分からないという声もよく聞かれます。
また、地域としての認知症患者への理解が進んでいないというのも、大きな課題となっています。
家族だけでは認知症患者を世話しきらない場面も出てきますので、周りの人が協力する必要も時に出てくるからです。
認知症患者を取り巻く人々の交流の場を作る
そこで、いろいろな都市において、認知症カフェを作る動きが広まっています。
このカフェでは、認知症患者本人やその家族、介護を行う人や、地域の人が集まり、お互いに情報交換を行うとともに、交流を深めることができます。
家族などは、介護によって身体的にも精神的にも疲れていることが多いので、理解のある人に囲まれて話ができるだけでも、大きな癒やしとなります。
また、同じような状況にある人と話すことで、力づける機会ともなるでしょう。
さらに、介護に携わる人の話を聞いて、具体的な介護方法などを知って、毎日の介護をより効率よく楽に行える術を学べるというのもメリットです。
地域の住民も集う場所となりますので、周りからの理解も深まり、地域住民によるサポートを得られるようになるという利点も出てきます。
さらに認知症カフェが増えていくことが期待される
認知症カフェの運営はそれぞれの場所によって異なりますが、自治体の補助を受けたり、ボランティアの支援によって支えられたりしています。
定額の料金で、飲み物や軽食が提供され、開放的な雰囲気の中交流の機会を持てるようにしているのが特徴です。
現在は、一部の都市にのみあるだけですが、こうした活動がさらに全国的に広がっていくことが期待されています。
認知症患者は、場所に関わりなくたくさんいますので、具体的な介護サービスだけでなく、家族と地域を巻き込んだ包括的なサポートが必要となります。
その点で、この認知症カフェという活動は意義あるものでしょう。
高齢化が進んでいる日本では、こうしたユニークな取り組みがいろいろ行われていますが、ボランティアによる支援が欠かせません。
地元でこうした活動が行われているのであれば、積極的に参加して、地域福祉に貢献する努力を払ってみるのも良いでしょう。