理学療法士とは
理学療法士は作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士と並ぶ医療従事者の一つで、リハビリテーション専門職として障害者に対するリハビリを実施する療法士の事です。理学療法士は国家免許が必要となり、リハビリテーションを実施する上で障害者を理学を利用して回復に導きます。
理学療法と作業療法はどのような違いがあるのでしょうか。作業療法士は日常生活の作業である入浴や摂食、仕事や遊びを通じて障害者の回復の手伝いを行います。作業としての手を動かしたり、体を動かしたり、思考を促したりすることをリハビリテーションの一つとしてもちいているのです。一方理学療法士は一般的な作業を行えないほど障害が生じている人にたいして、まずは各部位を動かすことができるようにリハビリテーションを支援する役割を担っています。一般的に理学療法でまず体を動かすことができるようになり、その上で作業療法で一般生活への足がかりを作るという流れでリハビリテーションが行われるのです。
理学療法士の仕事
理学療法士は脳卒中や後遺症の残るような病気で、十分な身体活動が行えない障害者に対して治療体操を実施したり、電気刺激、温熱、冷感治療や光線療法、マッサージなどの物理的な手段を用いて障害者の運動神経を刺激し、筋肉を動かすことで通常の生活を送れるだけの運動能力の回復のお手伝いをします。
通常人間は脳からの電気命令にて体の各部分の筋肉が収縮されて、歩いたり、走ったり、ものを掴んだり、投げたりすることができます。障害がある人はこの信号がうまく筋肉に伝わらず、体を十分に動かすことができません。そこで筋肉を強制的に動かすことで脳への神経経路を再構築させ、運動機能の回復を促します。
理学療法は一般的に反復運動を下に実施されます。よくドラマやテレビドキュメンタリーで見る「リハビリ」と呼ばれるもので、手すりのついた廊下のような場所を歩く練習をしたり、皿から皿にものを移し替える練習をしたりなどの作業をするのが理学療法です。一般的に言うと、「基本的動作能力の回復」が理学療法士の行うリハビリテーションで、運動療法、物理療法、日常生活活動という内容のリハビリを取り入れて、まずは障害が発生した部位が動けるようにするというのが理学療法におけるリハビリテーションの一旦のゴールと言えます。
現在の超高齢化社会の中で、理学療法士の育成は急務とされてきました。そのため規制緩和の中で理学療法士の数は爆発的に増加し、現在10万人の理学療法士の免許取得者が活躍しています。