糖尿病とうつ病の因果関係とは
糖尿病とメンタルの病気との関連性はどのようなものなのでしょうか。糖尿病を発症した人はうつ病になりやすいという話がありますが、その因果関係はどのようなものなのでしょうか。
糖尿病は発症してしまうと一生治らない病気であると言われています。糖尿病の原因としては食生活や生活習慣が原因だと言われています。糖尿病は血糖値が非常に高くなり、激しい喉の渇きや、大量の排尿、意識障害などが発症してしまう病気です。糖尿病になってしまうと非常に長期に渡る療養や、食事療養が必要になります。
実際にこの糖尿病とうつ病の関連性を調べるため、東京女子医大糖尿病センターは高齢の糖尿病の患者に対してアンケートを実施しました。実際に糖尿病の人にアンケートをとってうつ病になる可能性であったり、実際に発症している可能性を調査、研究を実施しました。そしてアンケートの結果、調査対象の65歳以上の糖尿病患者4,365人のうち、1,334人、およそ30パーセントの人にうつ病の症状があったとの結果が出ました。そして糖尿病の症状が深刻な重度なほど、合併症の発症率が高いことがわかったのです。
現在の研究では糖尿病とうつ病の因果関係は具体的にはわかっていません。実際にこのアンケートから導き出されたのは糖尿病患者の30パーセントにうつ病の症状が見つかったという事実だけです。
研究結果の憶測
この結果には様々な憶測が考えられます。まずどちらが先かということです。糖尿病という重い病気が発覚し、一生その病気と付き合い続けなければならない、場合によっては命を落としてしまうという事実がうつ病という心の病を引き起こしてしまっているという可能性が考えられます。逆に、先にうつ病になり、体を動かす機会が減ってしまい、血糖管理ができなくなることで糖尿病になってしまったというケースも考えられます。いずれにしても糖尿病の患者さんの3割が心の病気を抱えているということが事実としてあるのです。
もしも糖尿病の3割の患者さんがうつ病の症状があり、心の病気になりやすい状況があるのであれば、その状況に対してしっかりと検査を行い、丁寧な治療を行う必要があるのです。
現在医療技術が発達し、糖尿病でも元気に生活することが可能となりました。血糖値を抑える治療方法が発展しているのです。糖尿病でも通常の生活が送れることや、治療で改善が見られることをしっかりと理解してもらい、心のケアも含めた治療を進めていく必要があるのです。